毛抜き合わせとは、データ内の異なる色の図形等が隣り合う部分に対し、髪の毛ほどの重なり合う部分を設け版ズレが

起こった場合でも白い下地が見えないように処理することを指し、トラッピングとも言います。

 

例えば、下のようなデザインは墨文字と青ベタの2色印刷になります。

こちらは青ベタの上に墨文字を乗せて印刷する、いわゆる「スミノセ」ですので毛抜き合わせにする必要がありません。

K=100%だとどんな色が下にあっても黒の色が強いので塗りつぶしてしまう事が可能だからです。

 

では、次のデザインはどうでしょうか。

こちらは黄色ベタと青文字の2色印刷です。上記デザイン同様、黄色ベタの上に青文字を乗せて印刷してしまうと、

「ホクトエスピー」という文字が背面の黄色と文字の青が混ざり下のような緑色に見える仕上がりになってしまいます。

 

ですので、下図のようなデータを元に製版致します。

ここで気を付けなければならないのが、データをそのまま2つに分けて製版してしまうと、印刷の際版ズレを起こした場

合にシール地の白が見えてしまうという事です。

 

版ズレは、紙の蛇行などによりどうしても起きてしまいます。もちろん大きくズレることはなくほんの少しのズレですが、

それでも印刷色によってはほんの少しの版ズレでも下地の白が目立ってしまいます。

そうならないように、黄色ベタ版はそのままに、文字の青版をほんの少し太らせた版を作成し印刷します。

すると下のような仕上がりになります。

毛抜き合わせによって青文字をほんの少し太らせ印刷することで背面の黄色と重なり版ズレが起きても下地の白が見えな

くなります。

上図は大げさに毛抜き合わせをしましたので、境目が目立ちますが実際にはそこまで目立ちません。

 

また、ここでも気をつけなければならないのが、ベタ版を太らせるのか文字版を太らせるのかという点です。

ベタ版を太らせた場合、文字の内側に毛抜き合わせが入りますので、実際のデータより文字が細く見えてしまうことがご

ざいます。

デザインや配色によりどのような毛抜き合わせにするか迷うところではありますが、適切な判断をしご提案をさせていた

だきますのでデザインに関しましてもお気軽にお問合せ下さい。

 

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