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ユポタック・ユポシールとは

カテゴリー : 樋口 シールのこと2022年07月01日

<樋口です。

本日は紙系タック紙ではなく、フィルム系タック紙の“雄”とも言われるユポタック・ユポシールについてのご説明をいたします。

まずはベース基材となるユポについてのご説明です。

ユポは森林資源の保護を目的としてユポ・コーポレーション社が開発した合成紙でその歴史は50年以上と永く、一般紙にない「耐水性」を備えた「夢の紙」として国内外に広く普及した経緯があります。

夢の紙と謳われていますが、実際には積層フィルムの合成紙になります。

公式ホームページにはユポの強みとして下記5点がフォーカスされています。

1.国内外で関連特許を多数取得する独自製法
ユポの主原料は合成樹脂(プラスチック)の「ポリプロピレン」と天然鉱物。
これらを独自の特許製法で表面に微細な空孔を発生させることにより、紙の様なしなやかさと印刷適性を併せ持たせています。

2.基層で強さを、表層で特性を実現
ユポの構造は3層構造となっています。真ん中にコシのあるフィルム、それを白色度と印刷適性の高い表層フィルムで上下サンドイッチさせたイメージです。
これらも夢の紙(フィルム基材でも印刷適性が高い)と言われる所以です。

3.紙よりタフで、フィルムよりも表現力がある
ユポは下記のように多彩な特長を備えています
水に強い・・・濡れても強度が低下しない、形状も変わらない
破れにくい・・・紙に比べ格段に引っ張り、折り曲げ、衝撃に強い
油・薬品に強い・・・紙に比べ油、酸、アルカリ、有機溶剤などに触れても品質がほとんど劣化しない
クリーン(低発塵)・・・曲げたり擦ったりしたときの発塵性は上質紙の約100分の1
軽い・・・微細な空孔を含む特殊な構造のため同じ厚さの紙の3分の2の重量となる
表面が滑らか・・・滑らかな表面のためラミネート加工も仕上がりが美しくなる
印刷がきれい・・・紙と同様に色鮮やかに印刷可能で幅広い印刷方式に対応している
筆記特性がある・・・ボールペンや鉛筆でも筆記が可能

4.エコロジーな合成紙
木材由来の紙に代わる新時代の紙を目指して開発されたユポ。
製造過程で有害物質・環境負荷物質を使用していないのはもちろん、端材は再利用可能であり、焼却時の有害物質も発生しません。

5.世界70ヵ国以上・50年の実績
世界の市場で永く支持され続けてきた実績が、安定した品質と供給の証左となります。

このようにユポは紙ではないけれども紙と同様の高い印刷適性を備えながら、紙よりも高い防水性・耐久性を有している筆記可能な合成紙である、と言えます。

 

そのユポに糊を塗布したものが今回ご説明をするユポタック・ユポシールとなります。

ユポタックの糊の種類はフィルム系タック紙の中では最も多く、下記11種の取り扱いがあります。一般的にシールに使用するユポの厚さは80ミクロンとなります。

・普通糊・強粘・訂正用強粘・冷食用・冷凍ハム用・トイシ用(超強粘)
・微粘着再剥離・中粘再剥離・強粘再剥離・超強粘再剥離・訂正用強粘再剥離

 

用途別にこれだけ細分化された多種の糊剤からお選びいただけるのもユポタックが最も普及しているフィルム系タック紙であることを物語っています。

続いて、ユポタックに印刷する場合の特徴は下記4点となります。

〇 ユポ自体はマットな質感と見え方ですが、印刷してインクがのった部分は光沢があります。

〇 ユポへ印刷するインクはUVインクとなります。(印刷時にUV照射でインクを硬化・定着させる)

〇 UVインクは指で強く擦ったり、鋭利なもので触れると硬化したインクが剥がれてしまう場合があります。(水性インクのように、にじむということはありません)

〇 PPラミネートを施工することでインク剥がれを防ぎ、全体に光沢が出ることで見た目に高級感を与えることができます。

 

最後にユポシールを使用する上での注意点は下記となります。

●基本的に屋内での使用をお勧めします。防水性もあるので屋外での使用も数か月以内でしたら問題ないと考えますが、屋外で1年以上貼る想定の場合はより耐久性の高いエンビやPETなどの素材をお勧めします。

●紙のようなコシとやわらかさを持つが故に、化粧品やシャンプーなどのボトルの上部に立てて貼る商品POPシール(糊殺しシール)には相性がよくない場合があります。
それはPOPシールに相性が良いPET素材に比べて端までピンとしていないためです。
サイズによっては、貼った当初はピンとしていても時間経過とともに手前にお辞儀をするような形状に印刷面が丸まってしまい、見栄えが悪くなるおそれがあります。

●印刷後にPPやPETのラミネートを施工するか否かの判断としては、ユポシールを貼った後、人の手やモノが触れる頻度が高いものには施工したほうが良いです。
ですが、その頻度が低く、コストを抑えたい場合は施工なしでも問題ないと考えます。(上記特徴にもありましたが、軽く触れたり水がかかった程度ではインクはとれません。)

 

ユポタック・ユポシールについてのご説明は以上になります。フィルム素材のタック紙の中では非常に汎用性の高いシール素材です。

コストパフォーマンスも良いため、耐水シールなどをご検討の際は是非ホクトエスピーまでご連絡ください。

 

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