共通認識を持つということの難しさ

「共通認識」とは、特定の事柄や情報について、人々が同じように理解し共有している状態
だそうです。
言っていることはわかりますが、これが社内で出来ているかというとなかなか難しいところで、仕事において社員一同の共通認識、お客様との共通認識ができていないと致命的な結果を招いてしまいます。
社員一同の共通認識が持てていない場合、会社の方針や目標に対し社員個々の考えの元、別々の方向へ進んでしまい組織として崩壊してしまいます。
お客様との共通認識が持てていない場合は、商談に相当な時間を要したり、最悪の場合はお客様のご希望する製品とは違う製品が仕上がってしまう恐れがあります。
私個人の見解になりますが、仕事をする上でこの共通認識を持つということに対して特に大切になってくるのが、「目的」・「理解」・「ゴール」だと考えます。
まず「目的」ですが、ある事案を進めるにあたり、「なぜそれをやるのか」ということを初めに考えなければなりません。ここの認識がズレてしまうと、途中で認識の再確認に時間を要したり、本来とは違う最終地点に辿りついてしまいます。結果としてそれまでの会議が無駄になってしまうかもしれませんので、そうならないように時間を割いてでもまずはこの「目的」をしっかり共有してからスタートしなければなりません。
次に「理解」ですが、人の意見や提案に対して安易に賛成や反対するのではなく、真意を探り考えなくてはなりません。考えることにより意見や提案の本質を理解することはもちろん、発した人の考え方や人となりが見えてくるかもしれません。考えても理解できなければその場で聞いてしまうのも一つの手段でしょうし、自分の意見とどうしても合わない時はとことん話し合う必要もあるでしょう。「考えて理解し、理解するために考える」ことが私は重要だと考えています。考えずにただ聞いただけの意見や提案はどんなに素晴らしい内容でもすぐに忘れてしまいますし、理解しないまま先に進んでも何を何のためにやっているのかを見失ってしまいます。
最後に「ゴール」です。これは、何を持って完遂とするかということです。ここの共通認識ができていないとそれまで積み上げてきたものが台無しなる可能性があり、スケジュールにも大きな影響を及ぼします。締め切りが決まっている事案でこの「ゴール」の認識のズレは致命的です。進捗状況とスケジュールを照らし合わせつつ、この「ゴール」も再三確認しながら進行していかなければなりません。
複数人集まれば、集まった人数分の考え方があります。その考え方をまとめて一つの方向に進んでいくのはなかなか難しいことだと思います。
その難しさを少しでも軽減させるのは、日頃から積極的に自分の考えや意見、提案を発信し周りに理解してもらう、また周りの考えや意見、提案を積極的に聞き理解しようと密なコミュニケーションを取り常に考えるということが共通認識を高め会社としてより良い成果が残せるのではないかと考えています。
もちろん共通認識やチームワークは絶対必要ですが、それだけではなかなか前には進みません。
そこに統率力・牽引力があり皆から信頼されるリーダーの存在があってこそだと考えています。