シール印刷のホクトエスピーブログ
オンラインショップはこちら後払い可能

心房中隔欠損症のカテーテル治療

カテゴリー : 樋口(経理)の徒然なること2023年11月16日

<樋口(経理)です。

生まれた時に心臓に穴が空いている(心房中隔欠損症)と診断された次女が今年の5月17日から23日までの6日間、穴を塞ぐカテーテル治療のため入院しました。

心房中隔欠損症の症名は Atrial septal defect (ASD)です。(詳しくはこちらでブログに書いています)

心房中隔欠損症は、右心房と左心房の間の壁(心房中隔)に穴(欠損)が空いている病気です。 左心房から右心房へ血液が流れることによって、徐々に右心房、右心室が拡大し、心不全や不整脈を引き起こします。

⚫️次女カテーテル治療入院タイムテーブル

17日10時:コロナ検査 レントゲン 心電図 エコー検査 採血 担当医の挨拶等

18日:カテーテル治療流れの説明、各同意書のサイン、麻酔による危険性、治療、手術におけるリスクの説明など

19日:カテーテル治療当日、担当医から最終手術の説明、質問等

20日:安静日、検査

21日:安静日

22日:検査(レントゲン 心電図 エコー 採血)

23日12時:退院

⚫️カテーテル治療(手術)の事前説明

・19日の2時頃から2時間かかる治療の予定で、終わった直後は6時間安静の時間(トイレも不可)があり、退院したら6ヶ月運動が制限されます。

・カテーテル治療で穴を塞ぐ器具の実物 チタン製(三種類ある中のどれかになるという説明でした)

 

・手術を進めてみて初めてわかる穴の詳細な形状と位置により、開胸手術になる場合もあります。

・術後バイアスピリンという薬を6ヶ月毎朝飲みます(心臓に血栓ができると危ないので血液をサラサラにしておく薬)

・バイアスピリン服用中は水疱瘡とインフルエンザになったら直ちに服用を中止すること(病院に電話で確認)

・バイアスピリン服用中は、出血が止まりにくくなります。多少の擦り傷などはいつもより長い時間押さえておくなどすれば大丈夫ですが、強い打ち身・打撲などで内臓内出血した場合危険なのでその場合はすぐ病院へ電話すること

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次女の場合は心臓の穴の位置が心臓弁の近くにあり、塞ぐ器具を取り付けると逆に突っ張って心臓を痛めてしまって危険なので開胸手術(縫って塞ぐ)になるはずでした。ですが2021年に日本で使用承認を得られた最新の器具(上画像右端の白い器具)なら大丈夫ということでそちらが取り付けられ、何とかカテーテル手術で済みました。

今年治療入院をしましたが本来の入院予定は3年前の2020年の夏頃で、コロナの影響で予定が1年2年と延期になって今年やっとの入院治療でした。この3年間「コロナのせいで・・」と思っていましたが、延期になっていなかったらその最新の器具が使えず、胸に傷跡が残る開胸手術だったのかと思うとこれも次女の運命だったのかと感じます。

事前説明の通り、心臓のどこにどういう穴が開いてるのかは全身麻酔して口から器具を入れてみないと完璧な詳細はわからないらしいので本当に切らないで済んでよかったと思います。

 

退院後1ヶ月は体育の授業は全面禁止、3ヶ月までは軽いものならよし、6ヶ月からは普通に動いてよしとなる運動制限(人によります)がつきます。

次女はまだ小学生なので飛んだり跳ねたり無理をしないか不安ですし偶然でも何か物が強くあたって万が一器具が外れるようなことがあると、今度は開胸手術をしなくてはならなくなるので学校は1ヶ月間休ませました。

心臓の穴は約6ヶ月間をかけて自分の細胞の膜で覆われて、器具と共に心臓の一部となるようです。器具は一生外すことはなく、気をつける事はこれから成人して人間ドックを受ける際には必ず病院側に心臓に器具が入っていることを伝えておかなければならない事くらいです。(MRIや一部の検査ができない為)

将来的に器具を取り付けたことによるリスクなどはまだ新しい器具なのでデータがなく分かりませんが、このまま塞がないで成人した場合のリスク(心不全や不整脈、肺高血圧等)に比べたらちっぽけなものだと思うので早いうちに治療できてよかったと思います。

 

入院した病院は循環器専門の有名な病院でした。

次女が生まれた病院は近所の総合病院で、ずっとそちらの心臓外来で検診してもらっていたのですが、突然に「治療、手術する病院はここです。次からそこに予約して行ってください」という話になったので「えっ片道2時間?!」と当初は面食らって主人に愚痴をこぼしておりました。

蓋を開けてみればそちらは神の手と呼ばれる先生がいらっしゃる有名な病院でした。大部屋で一緒になった人たち3人 大阪、三重、山形から来ている方たちで、私は心の中で遠いと愚痴ってすみませんと反省しました。

小児科なのでもちろん同室の入院患者も子供や赤ちゃんで、それぞれに付き添いの母親がいました。

開胸手術の子や術後の経過が思わしくない赤ちゃんや、うちと違ってカテーテル治療に耐えられる年齢になるまで待てない緊急治療が必要な赤ちゃんと乳幼児が多い病棟を見て、カテーテル治療で済んだ次女は比較的軽い方なのだと思いました。

それでも手術室から出てきた酸素マスクの我が子を見た時は胸が苦しくなり涙が出ました。

 

術後の経過は順調です。

何かあったことといえば、手術前の丸二日間ベッドとトイレの往復くらいしか動いていなかった娘が術後に急に動いた時にでた気持ち悪さと頭痛(半日くらい動けませんでした)と、退院後一ヶ月後に謎の蕁麻疹が出たことくらいです。

0歳時に心房中隔欠損の診断を受け、二年間毎月注射に通い、その後は毎年2回の検診でその度にその後どうなるのか、いつどういう手術・治療をするのか、口頭で説明はしてもらえるものの、詳細はわからず不安だけがついてまわっていた次女と私の日々が次回12月の術後検診で一区切りつきます。

前回の検診では先生が娘に「体、楽でしょう〜?」と聞いていました。

なんとなくですが術後の娘は身体の成長が以前より早くなっていると感じます。小さかった声も少しずつハリが出てきている気もします。

来年からは運動制限もとけ、自由に動き走り回ってのびのび成長していってもらいたいです。